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01-12 IPv6のアドレスの種類


3種類のIPv6アドレス

IPv6には、IPv4でも使われている「ユニキャスト」「マルチキャスト」に加え「エニーキャスト」が追加されている。(厳密にいうとIPv4にもエニーキャストは定義されている)
逆にIPv4で使用されていた「ブロードキャスト」が廃止され、代わりにマルチキャストが使われるようになっている。

 

ユニキャストアドレス

ユニキャストとは、ノードが1対1の双方向通信をする通信方式だ。このユニキャスト通信をする際に使用されるのが「ユニキャストアドレス」だ。
httpやsmtpなど大半のデータ通信はユニキャストアドレスを使用している。

[ ユニキャスト ]

IPv6のユニキャストアドレスは、GUA、ULA、リンクローカルアドレス、ループバックアドレスだ。
特殊用途で「不定アドレス」がある。不定アドレスは、IPv6アドレスが特定されていない(構成されていない)場合であったり、全てのIPv6アドレスを表現する(デフォルトゲートウェイ)場合に使用され、「::/0」と表現される事もある。

[ ユニキャストアドレスの種類 ]

スコープ 呼称 IPv6アドレス
グローバル GUA 2000::/3
サイト ULA fc00::/7
リンク リンクローカル アドレス fe80::/10
ノード ループバック ::1/128
特殊 不定アドレス ::/128

 

マルチキャストアドレス

マルチキャストとは、ノードが1対多の片方向通信をする通信方式だ。このマルチキャスト通信をする際に使用されるのが「マルチキャストアドレス」だ。
マルチキャストはストリーミング等の放送的な用途に使われ、受信を希望するノードに対してマルチキャスト対応のルーターでパケットがコピーされるイメージを持ってもらうと良いだろう。

[ マルチキャスト ]

IPv6のマルチキャストアドレスは、グローバルスコープマルチキャスト、サイトスコープマルチキャスト、リンクローカルスコープマルチキャスト、インターフェイスローカルマルチキャストだ。
マルチキャストには、「ff00::/8」が割り当てられており、スコープごとに使用できるプレフィックスが決められている。

[ マルチキャストアドレスの種類 ]

スコープ 呼称 IPv6アドレス
グローバル グローバル スコープ マルチキャスト ff0e::
サイト サイト スコープ マルチキャスト ff05::
リンク リンク スコープ マルチキャスト ff02::
ノード ノード スコープ マルチキャスト ff01::

 

エニーキャストアドレス

エニーキャストはマルチキャストに良く似ており、ノードが1対多の片方向通信をする通信方式だ。
マルチキャストは受信を希望するノードだけがパケットを受信するが、エニーキャストは指定したリンクに所属する全てのノード宛の通信で、リプライをするのはリンク内のいずれかのノードだ。
執筆段階でエニーキャストはあまり活用されていない。

[ エニーキャスト ]

 

リンクローカルアドレスとリンクスコープマルチキャスト

IPv6ではリンクスコープで使用されるIPアドレスがとても重要な役割を担っており、リンクローカルアドレスとリンクスコープマルチキャストがRAやND等のIPv6通信の基本的なコントロールをするために使用さている。

 

移行用アドレス

IPv6移行用に考案されている特殊なIPv6アドレスも数多くある。本書では技術解説で簡単に解説しているが、詳細仕様に興味がある方は技術解説にあるRFCを参照されると良いだろう。

 

>> 02 IPv6の実装に必要な知識

 

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