2-1 OSI参照モデルと実際のLANとの対比

Last update 2017.02.16

 LANを構成する要素は大きく分けて

 ・ハードウェア
 ・プロトコル
 ・サービス

の3つに分類できる。これはOSI参照モデル(表1)にもあてはまっており、ネットワークを考える際にはこれらを切り分けて考える必要がある。

OSI参照モデルの第1層-第2層はハードウェアと考えることができる。ハードウェアとはHUBやLANケーブル、LANカードである。

同様に第3層-第4層はプロトコルと考えることができる。プロトコルとはTCP/IPやNetBEUIである。

第5層-第7層はサービスと考えることができる。サービスとはメール、グループウェアをさしている。

OSI参照参照モデル      
第7層 アプリケーション層 利用者にmailなどのサービスを提供 サービス メール、グループウェア、Web… etc
第6層 プレゼンテーション層 データを利用者に理解出来る用に変換/データを通信に適した形に変換
第5層 セッション層 サービスレベルのコンピュータ間コネクション確立/開放
第4層 トランスポート層 データを相手に確実に届ける プロトコル TCP/IP、NetBEUI、IPX… etc
第3層 ネットワーク層 アドレスの管理と経路の選択
第2層 データリンク層 物理的な通信路の確立 ハードウェア HUB、LANケーブル、LANカード… etc
第1層 物理層 コネクタ形状や電気特性変換

メールなどのサービスは送信したいデータをプロトコルに詰め込んでハードウェアを経由して他のコンピュータに送信する。受け取ったコンピュータはハードウェアからプロトコルに包まれたデータを取り出し、サービスがそのデータを受け取る事により通信が実現しているのである。

ネットワークとはこの「ハードウェア」「プロトコル」「サービス」が積み上がって機能している。積み上がって機能しているがゆえにどれか一つに障害が発生しただけでネットークは機能しなくなってしまう。

筆者は職業柄ネットワークトラブルの相談を良く受けるのだが、なかなか障害から復旧出来ない方はこれらの分類と役割が整理されておらず、闇雲に試行錯誤を繰り返し時間を浪費していることが多い。この記事を読んでいらっしゃる方にはこれらの分類が整理されていない方はいらっしゃらないと思うが、今一度基本に立ち返りこれらの分類と役割を再認識していただきたい。

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