クラッカーがサイトを狙う目的


サイトに対する侵入は知的好奇心を刺激する麻薬的要素が強い。立ち入り禁止看板を見るとその中に入りたくなったり、秘密と言われれば知りたくなるのが人間の心理である。ゴシップ雑誌の売れ行きを見れば納得出来るだろう。普通入れない所に入れたり、普通知り得ない事を知るのは「ワクワク」するものである。この快感がハッカーの原動力である。ハッカーとは本来コンピュータの裏側まで知りつくそうとする人々の総称である。危害を加えない、あるいは自分の技術を悪用しない強い自己管理能力持っている良心的なハッカーは賞賛に値する人々であるが、これがモラルの欠如により結果的に危害を加えてしまうと犯罪者と同じクラッカーに転落してしまう。

クラッカーの目的は様々である。ビギナークラッカーであれば侵入そのものが目的であり、せいぜいサイト破壊が限界であろう。といってもサイトを運用している側からみれば深刻な問題である事に変わりはない。ところがある程度のノウハウを持ったクラッカーはサイト破壊をよりも、サイト乗っ取りを目的としている。侵入に成功したベテランクラッカーが最初にやることは、自分の侵入痕跡を消す事である。泥棒に入って指紋をそこら中に残す間抜けなヤツは少ないだろう。それと同じ理屈だ。一番簡単に痕跡を消す方法はアクセスログの削除だ。アクセスログの削除など痕跡の抹消に成功し、乗っ取りに成功したサイトを手に入れると、今度はそのサイトを拠点に他のサイトにも侵入を試みるようになる。もし、侵入が発見され逆探知されたとしても追跡者は踏み台サイトまでしかたどり着けず、クラッカーそのものを特定するこが困難になるからだ。このような踏み台サイトを何重に重ねられると逆探知は事実上不可能になってしまう。

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また、クラッカーたちは手に入れたサイトをアンダーグラウンドサイトに作り替える事も可能だ。知らないあいだにあなたのサイトのFTPがクラッカーたちの情報交換の場になっているかもしれないし、アンダーグラウンドページが作られているかもしれない。実際に侵略されてアンダーグラウンドサイトにされているサイトはいくつも存在している。

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とはいえ、どんなベテランクラッカーであってもいきなりサイトを乗っ取る事は不可能である。まずは弱点を探し出しそこからジワジワと侵入し最後に完全乗っ取りを実現するのだ。つまり、この弱点を探している段階で何かしらの対策をすれば侵入される可能性はかなり低くなるのである。 

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