着物が好き

 

母が美容師です。

生まれた頃から美容院の中。

当時は鬢付け油のにおいのする美容院。

叔母がやはり美容師で、花嫁さんを仕立て上げておりました。

鬘の箱に鬢付け油のにおい。

べっ甲のかんざし。

白い着物と帯。

綺麗な振袖。黒い留袖。

私が小さい頃、肌で感じていた世界。

お姉さんたちが持ってくる綺麗な振袖と帯。

それはそれはきらびやかな。。。

小さい私の目の中いっぱいに広がります。

よそいきの化粧とぴらぴらしたかんざしは

「おねえちゃん」を「お嬢さん」に変身させます。

まるで舞妓さんのよう。

着物の樟脳の香りさえも幸せな香りに。

そんな私が着物好きにならずにいられましょうか。

しかし、母から着付けは習えませんでした。

親子というのは甘えが出ます。

何度教えてもらってもうまくいかない。

とうとう二十歳過ぎたときに習いに行きました。

不思議なもので、習得できるものです。

着付けは慣れです。

着ていれば体が動きます。

着ていないと帯結びがうまくいきません。

昔の人は皆毎日着ていたのにね。

しかも、流行が穏やかです。

どんな時代のものでも、着ることが出来ます。

仕立て直しも出来ちゃいます。

いよいよだめならはぎれで小物まで作れちゃいます。

昔は布団にしたり、綿入り半纏になったり。

最後は雑巾です。

ものすごいエコライフ。

今、リサイクル着物屋さんが大繁盛。

でも、街中であまり着物姿を見かけません。

もったいないなぁ。。。。

綺麗な着物は見ている人までも幸せな気分にしてくれます。

眠っている着物を起こしてみませんか?

 

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